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『おおかみこどもの雨と雪』を観た。
タイトルに「雨と雪」とあるわりに主役はもっぱら母の「花」で、彼女の普通でない半生の物語。
若くして浅はかに散った狼男の夫、人ではない血を受け継いでひたすら面倒臭い子供二人、若くして波乱の人生に自ら飛び込み、翻弄されるまくる母親の花。
ラストはハッピーエンド的に演出されているが、人の心を持ったまま獣に回帰した弟の選択した人生が、過酷であろうことは明白だし、両親と似た過程を歩むであろうことが暗示される姉の人生もまた、両親同様の辛い葛藤を背負う運命にある。
この二人の子供の未来は、決して明るいものだとはいえないし、ハッピーエンドと割りきるのは、自分にはやはり浅はかに思える。
この作品のテーマは「親子」だという話だが、自分が観る限り、そうしたニュアンスはあまり伝わってこなくて、たぶんそんな筋書き的なものよりも寧ろ、一人の女性の「笑顔」に終始する物語が描きたかっただけじゃないかと感じた。
娘の記憶に印象深く残る母の「笑顔」の裏側、笑みに秘められた子供には分からない(あるいは「子供であるうちは分からない」)、血と汗と涙と、その刻まれた歴史……というやつが描きたかったのではないかと。
やっぱ主役は「花」じゃないか。
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『アメリカン・ホラー・ストーリー』シーズン1のメイドは、若い姿と老女の姿と、対象によって見える姿が変わるけど、あれはどっちが本当の姿なんだ?
作中では老女の姿が本当の姿みたいな感じに扱われているけど、生前の場面の姿は若い方の姿で、その時点で射殺されている。
ドラマの設定だと、館に囚われた幽霊は、皆死んだ時の状態で時を止めるはず。だから老女の姿だと設定と矛盾するので、その辺りを解消する話があるかと思っていたら、そのまま触れずに終わった。
随分と雑な作りだなあ。
このドラマは様々なホラー映画のオマージュ的な要素も多分にあるから、ひょっとしてそうした雑さも日本の低予算ホラーにありがちで、ある種の個性にもなってる「大味さ」へのオマージュ?